失業給付って?

「基本手当」は、雇用保険に加入している人が失業し、次の就職先を探す場合、求職期間中の生活を保障するものです。

この基本手当を貰うためには、
「退職前の1年間に雇用保険への加入期間が通算6ヶ月以上あり、
1ヶ月の中で14日以上の出勤日数があること」
という条件があります。

そしてもう一つ。
「再就職の意思があり、再就職先を探していること」という条件があります。

6ヶ月以上普通に病院で働いていて、失業をしたけれど働く意欲があり、次の就職先を探している就職活動をしている場合は、問題なく基本手当を貰うことができます。


<基本手当の所定給付日数>
再就職先を探すまでの間の生活を保障する「基本手当」を貰える日数は、「所定給付日数」と言って、再就職の難易度や雇用保険の被保険者であった期間、就職時の年齢などによって決定されます。
このうち、再就職の難易度の指標となるのが「離職理由」です。

一般の離職者
自分の都合によって退職したり、定年退職をした場合は、あらかじめ再就職の準備が可能だったはずですから、「一般の離職者」ということで、所定給付日数は被保険者期間に応じて90~150日です。

以下の「特定受給資格者」、「特定理由離職者」、「就職困難者」は、雇用保険の被保険者期間と離職時の年齢によって所定給付日数を決定します。

特定受給資格者
倒産や解雇、事業の縮小や廃止、事業所の移転による通勤困難、労働条件の著しい相違、過度の残業、上司や同僚からの故意の排斥や著しい冷遇などで離職を余儀なくされた人の場合は、あらかじめ再就職の準備ができません。
このため、「特定受給資格者」ということで、所定給付日数は、90~330日です。
特定理由離職者
①「期間の定めのある労働契約が更新されなかったために離職」した人と、
②「やむをえない理由によって自己都合で離職(被保険者期間が離職前2年間に12ヶ月以上ない場合に限る)」した人は、
「特定理由離職者」ということで、所定給付日数は、90~330日です。
この「特定理由離職者」に関しては、平成21年3月から平成26年3月31日までの間に離職すると、所定給付日数が特定受給資格者と同じになるというものです。
就職困難者
障害によって再就職が難しい人は、「就職困難者」ということで所定給付日数は、150~300日です。

<基本手当の額(基本手当日額)>
失業1日あたりに貰える基本手当の額は、賃金日額(離職日の直前6ヶ月間に受けたボーナスを除く賃金の総額を180日で割った額)に所定の給付率(45~80%)をかけて算出します。
収入が低い人ほど高い率になる仕組みになっています。
賃金日額と基本手当日額には、上限と下限があるので、給料が著しく高いときと低い時にこれを適応します。
受給は、最寄のハローワークで手続きをします。
受給者説明会に参加し、失業認定日が指定され、就職活動の現状報告を行うことで基本手当がもらえます。

失業給付を貰うための条件

病院での仕事をやめてから転職したい場合、すぐ次の病院が見つかれば良いのですが、そうは行かないこともあります。

そのようなときには、大幅に収入が減ってしまうので、生活を守るための失業給付を受けることが出来ますが、ハローワークに手続きに行ってもすぐその場でもらえるわけではありません。
早めに手続きをしておくと良いですね。

雇用保険から失業給付(基本手当)を貰うためには条件があります。

一つ目は、「雇用保険の被保険者期間が離職前の2年間に12ヶ月以上あること」です。
そして、この際の賃金の支払い日数が11日以上ある日を一ヶ月として計算します。

ですが、「特定受給資格者(倒産や解雇などによって離職した人)」や、「特定理由離職者(期間の定めのある労働契約が更新されなかったため離職した人・正当な理由のある自己都合退職者)」は、離職前1年間に11日以上賃金を貰っている月が6ヶ月あれば、時給資格が与えられます。

二つ目は、「失業の状態であること」です。
働く意思と能力があって、身体的・環境的にいつでも仕事につける状態で、求職活動を行っているにもかかわらず仕事に就けない状態を『失業の状態』といいます。
病気や怪我・出産などですぐに働くことが出来ない場合は、身体的や環境的にいつでも仕事に付くことができる状態ではありません。
このような場合は、失業保険を貰うことができる条件を満たさないのですが、病気や怪我が治るまで、出産後仕事に就ける環境になるまで受給期間を延長し、働ける状態になってから基本手当を受けることが可能です。

失業給付を貰うための手続き

失業給付の基本手当は、住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に行き、「離職の確認」を受け、「求職の申し込み」を行います。
このときに必要な書類は、「離職票」、「雇用保険被保険者証」、「印鑑」、「運転免許証または写真付き住民基本台帳カード」、「写真」などです。

受給資格が決定すると雇用保険受給説明会の日時と失業認定日が指定されます。
雇用保険受給説明会には必ず出席しなくてはなりません。

待機期間(求職の申し込み後の7日間)は、基本手当の支給がありません。
さらに自己都合によって退職した場合も、基本手当が支給されない給付制限の期間が3ヶ月間設けられます。

これは、所定給付日数そのものが減るわけではなく、基本手当の支給が一定期間支給されないという期間なので、この期間を経過すれば基本手当が支給されます。
ですが、公共職業安定所で、退職理由が「正当な理由」であると判断されると、給付制限を受けずに給付を受けることが出来ます。

正当な理由とは、被保険者の健康状態や家族の事情、事業所の労働条件や雇用管理の状況・経営状況、そのほか客観的に見て、その退職がやむを得ないと認められる場合です。
ですから、やむを得ない事情で退職した場合は、離職者用の離職票の具体的事情記載欄に退職に至った経緯などを記載しておくと良いですね。

この待機期間・給付制限の期間を経た後、指定された失業認定日に公共職業安定所(ハローワーク)に出向き直前の28日について失業していたかの確認を受けます。
失業認定日は4週間に1度あり、失業期間中には、2回以上の求職活動が必要です。
この様に、失業認定日に失業状態が確認されると、基本手当が指定の口座に振り込まれます。

失業給付はいくらもらえるのか

基本手当は、失業中に生活の支えになります。

基本手当の日額は、退職前6ヶ月間に支払われた賃金を元に決められますが、この賃金は、税金・社会保険料控除前の額で、ボーナスは含めません。
そして、「賃金日額」を6ヶ月間の賃金の総額を180日で割った額でもとめ、この賃金日額に、「給付率」という退職時の年齢に応じた率をかけたものが「基本手当日額」になります。
賃金日額と基本手当日額には、上限額と下限額があります。
また、基本手当日額は毎年8月1日に見直されます。

遠まわしに退職を勧告された場合も「自己都合」になるか

自己都合で病院を退職すると、失業の状態を自分が作り出したことになります。
ですから、正当な理由がなく退職すると、7日間の待機期間のあと、さらに3月間の給付制限が設けられ、その間基本手当を受けることが出来ません。

ですが、自分から退職を申し出た場合でも、「正当な理由」があれば給付制限は行われず、7日間の待期のあと、第一回目の失業認定を経ると基本手当が支給されます。
「正当な理由」かどうかは、公共職業安定所(ハローワーク)が判定しますが、客観的にみて、「正当である」と認められれば「正当な理由」による退職となります。

たとえば、「直接、或いは間接的な退職勧奨に応じて退職した」と言う場合も、客観的に見て「正当な理由」であれば、給付制限は行われません。
ですが、遠まわしに退職を勧告されたというような場合は、病院側と本人との間で主張が食い違う事もあり、その事実を説明するのが難しいと言えます。

まず、求職の申し込みの際に、退職に至った経緯を口頭で説明したり、文書で説明したものを提出してください。
事実を証明できるものがあれば共に提出し、離職票にある退職の「具体的事情記載欄」にも対象の経緯を記載しておきます。
それらを踏まえ、公共職業安定所が客観的に見て「やむを得ない事情で退職した」と判断すれば、給付制限が設けられません。

正当な理由とは
  • 病気、怪我など(診断書が必要)
  • 妊娠や出産、育児
  • 家庭の事情の急変により離職
  • 通勤が困難になった(会社までの所要時間が片道2時間以上、交通機関の廃止やダイヤ変更)
などがあります。
また、この例のように、解雇されるなど、客観的に見て、本人は働く気があるのに仕事を失った場合も「正当な理由」とされます。

病気や出産、介護で退職する場合の基本手当

基本手当は、「失業している状態」でなければ支給されません。
失業している状態とは、ただ仕事を失ったというだけでなく、「次の就職先を探していて、肉体的にも精神的にもいつでも働くことが出来る状態であること」という条件があります。

ですから、病気や出産、介護などのために退職する場合は、いつでも働くことが出来る状況ではないので、基本手当は支給されません。

ですが、基本手当の受給期間は、退職した日の翌日から1年が原則ですから、1年の受給期間内に所定給付日数の基本手当を貰いきれない事もありますし、全く受給でいないまま1年が過ぎてしまう事もあります。

そこで、病気や怪我、妊娠、出産、3歳未満の育児、親族の介護などが理由で、30日以上働くことが出来ない場合、 受給期間を最長3年間延長することができるようになっています。
つまり、原則の一年と、延長可能の3年を併せて4年間の受給期間延長が出来るのです。

例えば出産で退職する場合、受給期間の延長の申請をすれば、退職日の翌日から原則の1年ではなく、4年以内に所定給付日数の基本手当を貰うことができるのです。
そして、受給期間延長の手続きは、退職の日の翌日から30日間働けない状態が続いた時点で可能です。

30日を過ぎた日の翌日から一ヶ月以内に、公共職業安定所に対して受給期間延長の申請書と離職票を添えて手続きをします。

このように、病気や出産、介護などで退職する場合も、延長の申請をしておくことで、働ける状態になり、仕事を探すことができるようになった時点で支給の手続きを進めていくことができるようになります。

退職後留学したい時の失業給付

退職後、留学したい時には失業給付は受けられません。

失業給付を受けられるのは、「労働の意思と能力があり、就職活動を積極的にしているけれど、仕事に就けない」場合です。
家事や学業などで他の仕事に就けない場合は、「労働の能力」がないとみなされます。
つまり、失業給付を受けられる条件を満たしていません。
ですから、退職後に留学し、留学期間中に失業給付を受けることは不可能です。

では、短期間(6ヶ月など)の留学を終えてから求職活動をするときに失業給付を受給することは可能でしょうか。
この場合は、検討材料(本人の所定給付日数や留学の期間と期日、退職後1年間と言う失業給付の期限など)を参考にしながら、留学と失業給付の受給を可能にする計画を立てます。
支給を受けながら求職活動をしないのは不正受給になりますから、支給済みの給付の返還や、不正行為に対する納付金が課せられる事もあります。
失業認定を受けてしまえば、次の認定日(4週に1度)までは自由だ!
と、語学留学に行くなどの行為は不正です。

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