離婚した時の夫と妻の年金

離婚した専業主婦は、年金だけで暮らすのは難しいと思われます。

中高年の離婚件数が増加している昨今ですが、
日本の年金制度では、妻は夫の収入により生計を営むことが大前提となっています。
ですから、制度も、夫の収入によって妻は生計を営む制度設計になっていて、
夫婦の生計が老後も同じであれば妻名義の年金がなくても平均的なサラリーマン家庭の年金で、
夫婦二人の生活を営んでいくことは可能です。

ですが、離婚となると、専業主婦の場合は、65歳から支給される老齢基礎年金(国民年金)しかありません。

老齢基礎年金は、国民年金に40年加入しても月額6万5千円程度です。
加入期間がこの期間よりも短ければ、さらに小額です。
つまり、離婚後の生活はかなり不安定なものになります。

このような状況を打開するために打ち出された方法が、離婚時の年金分割制度です。

この制度は、婚姻期間中の厚生年金と共済年金(職域加算を含む)を分割することができるものです。
国民年年金は分割ができません。

年金分割の手続きは制度ごとに行い、
厚生年金基金が国に代わって支給する代行部分も分割されますが、
年金事務所に年金分割の請求をすれば、基金に対する手続きは行う必要がありません。

年金分割には、2種類あり、平成19年4月から実施された「合意分割制度」と、
平成20年4月からの「3号分分割制度」があります。

合意分割制度

合意分割制度では、平成19年4月1日以降に成立した離婚が対象で、
夫婦の合意か、家庭裁判所で分割割合を決めた場合、
婚姻期間中の厚生年金を分割することができます。

分割するためには、分割割合を明らかにする書類を沿え、
離婚後、2年以内に年金事務所で年金分割の請求手続きをします。

そして、合意分割は、夫婦双方が働いていた間の報酬(厚生年金の標準報酬月額の記録)を合算し、
報酬の総額が多い人から少ない人に合意した割合を下に分割します。
そして、分割後の報酬に基づいた額の厚生年金(報酬比例部分の年金)を受給する仕組みになっています。

また、婚姻期間中に妻に厚生年金加入期間がない場合も分割することが可能です。

分割割合には、制限があり、上限は50%、下限は分割を受ける側の加入状況によって異なります。
割合について合意ができないときには、家庭裁判所で、調停・審判・裁判を行い決定します。

年金分割を行う際に必要な情報は、年金事務所に相談してください。
「年金分割のための情報提供請求書」を提出し入手することができますが、
離婚前は配偶者に知られずに情報を入手できますが、
離婚後に情報を請求すると、もう一方にも知らせが届きます。

3号分割制度

平成20年4月にスタートした3号分割制度では、同意無しでも分割することができます。
対象は、平成20年4月以降に成立した離婚です。

この合意分割制度では、平成20年4月以降に、第二号被保険者が納めた厚生年金保険料は、
第三号被保険者(妻)がその半分を負担したものと考えています。

ですから、平成20年4月以降の第三号被保険者期間については、
夫の同意がなくても妻からの請求だけで夫の標準報酬総額の2分の1が分割されます。

ですが、平成20年4月以降に第三号被保険者期間がない場合や、
平成20年3月以前の婚姻期間中の厚生年金を分割する時には、
当事者の合意、或いは裁判所で分割割合を決めて合意分割の手続きをしなければなりません。

分割後、分割を受けた人の記録として、厚生年金の記録は確定します。
ですから、元夫の死亡や再婚によって分割を受けた厚生年金の記録は消滅しません。

分割を受けた妻自身が年金の受給資格期間を満たしていないと、
分割を受けた年金を受け取る事もできないので注意しておきましょう。

夫から分割を受けた厚生年金の期間は、妻の厚生年金の加入期間とみなされますが、
受給資格期間の計算には含まれません。
つまり、自分自身の年金加入期間を確認し、受給資格を得られるようにしておかなければ
分割請求をしても意味がありません。
さらに、夫の年金の分割であっても、 妻自身の年金が貰える年齢にならなければ分割された分の年金も受け取ることができません。

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