派遣看護師の派遣切り

近年「派遣切り」が問題になっています。
特に派遣社員の契約打ち切り=派遣切りが顕著なのは製造業です。

年々、看護師の派遣は、最近需要が高まっていますし、
一般的な企業と看護師が働く病院とでは、状況が異なりますが、
それでも様々な理由によって看護師が「派遣切り」にある事もあります。

派遣切りとは、派遣契約労働者を使用している企業や病院などで、
派遣元である人材派遣業者との該当派遣労働者の派遣契約を打ち切ることです。
つまり、派遣切りとは、契約期間中に解雇されてしまうことです。

一般企業で、「派遣切り」が横行し、それによって派遣労働者の雇用の機会が損なわれてしまうことが相次ぎました。
そのため、労働者派遣法を改正すべきと言う意見が高まり、
国会でも審議が始まりましたが、なかなかその審議は進まず、
2年という歳月を経てようやく派遣労働者の保護やその雇用の安定を目的とした法規制が成立しました。

とは言ってもその内容を見てみると、
決して派遣社員として働いている人の安定が図られるようになったものとは思えないものです。

今現在も、社会情勢は変化しており、ワークスタイルの多様化も進んでいます。
それに伴い派遣が認められる業種も増えていますが、
雇用する側とされる側との調和が取られない限り派遣社員として働く人の安定は得られません。

今後も、労働環境に関する問題点を解決すべく、
「派遣」に関連した労働に関する法も改正されていくべきですし、改正されていくことでしょう。

派遣契約が終了し次の派遣の予定がない場合の健康保険について

派遣契約が終了し次の派遣の予定がない場合で、
現在、人材派遣健康保険組合に加入している人が、
派遣終了後、任意継続被保険者になることは出来るのでしょうか。

健康保険には、「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に加入する場合と、「健康保険組合」に加入する場合の2通りがあります。

「全国健康保険協会(協会けんぽ)」は、非公務員型の法人組織です。
もともとは国が運営していた政府管掌健康保険を平成20年10月に受け継ぎました。

「健康保険組合」は、国の許可を受けて大企業や業種ごとに設立される組織です。
人材派遣の分野でも、「人材派遣健康保険組合(ほけんけんぽ)」があります。
「人材派遣健康保険組合(ほけんけんぽ)」は、
「短期・継続就労に伴う派遣労働者の生活の安定と福祉の増進に努めるもの」
と言う意図があり、派遣労働者の特性にあわせた独自の特徴を持った一般的な健康保険組合とは異なる組織となっています。

会社を退職すると、一般的にはその会社で加入していた健康保険の資格を喪失します。
ですが、「はけんけんぽ」に加入している派遣労働者は、派遣契約期間が終了し、
派遣元の会社との雇用契約が終わっても、次の派遣に就業するまでの要件が決められています。
そして、その要件を満たすことで、引き続き被保険者資格を喪失しません。

要件
① 同じ派遣元で、登録型の派遣労働者として就業する。
② 派遣契約終了時に、一ヶ月以上の契約の次の派遣が確実に見込まれている。
③ 次の派遣が一ヶ月以内に開始される。

また、どの健康保険制度にも「任意継続被保険者制度」があります。
ですから、被保険者が離職した後も、要件を満たすことで、引き続き同じ健康保険制度の下で加入し続けることが出来ます。

要件
① 資格喪失日の前日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある。
② 資格喪失日から20日以内に申請する。

つまり、継続して2ヶ月以上の被保険者期間があれば次の派遣の予定がなくても、任意継続被保険者になることが出来ます。
今派遣で働いている病院を次の派遣の予定をしていないまま派遣期間の満了で離職する際、任意継続被保険者になることが可能です。
希望する場合は、期限までに申請をしてください。

派遣契約を解除された場合の補償

8ヶ月の予定だった派遣契約を、一方的に5ヶ月で解除されたというような場合、契約解除の無効を主張することができるのでしょうか。
契約解除の無効を主張することができない場合、何かしらの補償を受けることが出来るのでしょうか?

このような場合、なんの補償もなく、ただ一方的に契約解除と言うのは耐え難いですよね。

使用者が労働者を解雇する際には、客観的に見て合理的な理由があり、
社会通念上相当であると認められなければ、その権利を濫用したものとして無効になります。

そして、派遣契約の看護師として働く場合は、就業規則に解雇の事由が明記されているかを確認してください。

登録型派遣のように期間に定めがある労働契約の場合は、
中途で解約することは、高度なやむを得ない理由の場合に限られます。
この場合の解雇は、通常よりも高いハードルが設定されています。

看護師の派遣契約も需要が高まりつつありますが、
思った以上に業務量が少なくなった、当初よりも人手が足りてきた、
病院の経営の悪化、仕事でミスが多すぎる・・・など、様々な理由で派遣契約を解除されることがあります。

このような場合、派遣元である派遣会社は、派遣労働者に新たな派遣先を斡旋し、新たな就業の機会を与えなければなりません。

そして、就業先を紹介できない場合でも、派遣会社と派遣労働者の間には労働契約が継続しています。
ですから、その契約期間が満了するまでは派遣労働者を雇用し続けなければいけません。

つまり、8ヶ月の派遣契約が5ヶ月で打ち切られた場合などは、
残りの3か月分の補償は派遣元である派遣会社が派遣労働者に対して行う必要があり、
派遣労働者は休業手当として平均賃金の60%以上を補償として受け取ることが出来ます。

また、派遣会社が労働契約の途中でやむを得ず派遣労働者を解雇する場合は、
派遣労働者に対して30日以上前に予告を行うか、
解雇予告手当として平均賃金の30日分以上を支払う必要があります。

解雇は使用者に与えられた権利の一つですが、労働者側から見ると、生活の糧を失うことになりますし、
日常生活に多大な影響を与えるものになります。
ですから、簡単に認められるべきものではありません。

突然の雇い止め

派遣看護師の突然の雇い止めも、様々な理由によって起きることがあります。

今まで何度も派遣契約と労働契約を合わせて更新してきたにも関わらず、突然雇い止めをされるケースなどです。

登録型派遣のほとんどの雇用形態は、期間の定めのある労働契約を必要な回数だけ反復して継続するものです。
ですから、一定期間雇用を継続したにも関わらず、
突然契約更新をしないで期間満了を持って離職させる「雇い止め」を巡るトラブルが多く発生し、大きな問題となっています。

例えば、「一年契約だけれど、自動的に毎年契約を更新し、ずっと働けます」などと採用時に言われ、
10年以上も更新したのに、景気が悪くなったら突然雇い止めをされるなどのケースです。

このような「雇い止め」を巡るトラブルを少しでも未然に防ぐことが出来るように、
「有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準」
を厚生労働省が策定しています。
また、労働基準監督署でも、この基準に関し、派遣契約労働者の使用者に対して必要な助言や指導を行っています。

有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準
  • 使用者は有期契約労働者に対して契約を締結するとき、契約の更新があるかどうかを明示する。
    つまり、「自動的に更新する」、「更新する場合があり得る」、「契約の更新をしない」など、明確に意思表示をしなければなりません。
  • 使用者が有期労働契約を更新する場合があると明示した時は、労働者に対して契約を更新する場合、またはしない場合の判断基準を明示する。
    判断基準とは、たとえば、「契約期間満了時の業務量によって判断する」、「労働者の勤務成績、態度によって判断する」、「労働者の能力によって判断する」、「病院の経営状況によって判断する」、「従事している業務の進捗状況によって判断する」などです。
  • 使用者は、有期労働契約の締結後、その内容について変更する場合は、労働者に対して速やかにその内容を明治する。

このような有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準が設けられているので、
雇い止めをされてしまった場合には、契約の更新の有無や契約更新の際の判断基準が、
労働契約書などに明示されているかどうかをまず確認してください。

特に、労働契約を3回以上更新したり、
雇い入れの日から起算して1年以上継続勤務している人を雇い止めにする場合は、
契約期間満了日の少なくとも30日前までに予告をしなければならないことになっています。
(あらかじめ、当該契約を更新しない旨が明示されているものを除きます)

また、使用者は、一定の有期契約労働者と契約を更新しようとするときには、
契約の実態や労働者の希望に応じて、契約期間をなるべく長くするように努める必要があります。

ですが、この有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準には、拘束力がありません。
解雇の場合とは異なり、派遣元である派遣会社が派遣労働者に対して30日前までに予告できなくても、
解雇予告手当の支払いなどの経済的な補填を行う義務はありません。

つまり、この基準に基づいて雇い止めの無効を主張したいのであれば、民事的な判断に委ねられます。

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